
From:萩原 敬大(はぎわら たかひろ)
先日、インターネットで調べものをしていたら、俳優であり歌手の福山雅治さんについて、同じ業界の有名ミュージシャンたちが批判的なコメントを投げかけているページを見つけました。どんなものがあったかというと、、
・「福山雅治の音楽はまずいカップラーメン」
By THE BLUE HEARTS 甲本ヒロト
・「福山雅治の桜坂がミリオン出してしまう日本の音楽シーンの先行きは暗い」
By Dragon Ash 降谷 建志
・「福山雅治みたいなのがチャートに入ってる悲しい現状があるからこそ、俺たちが頑張らなきゃいけない」
By BUMP OF CHICKEN 藤原基央
・「福山雅治ってどこがいいの? やってること、かっこわるいじゃん、この人のファンは現実社会では男性に相手にされない女性ばかり。」
By 椎名林檎
などなど、、これは一部抜粋したものですが、他にも結構たくさん出てきました。どうやら、福山雅治さんは音楽業界の同業者たちからはあまり好かれていないようです…
でも、そんな福山さんの実績はというと、、20年以上歌手として活躍し続け、シングルCDのミリオン2回、ダブルミリオン2回を達成。うち「桜坂」は日本の歴代売上記録でも13位にランクインするなど、歌手として多くの人から支持され、大活躍しています。
しかも凄いのが、、「ひとつ屋根の下」「龍馬伝」「ガリレオ」など、どちらかというと俳優活動をメインに、数々のヒット作に出演し、歌手活動は”片手間”でやっているにもかかわらず、、です。
そして、その他の福山さんを批判しているアーティストもヒットを残していますが、音楽を専業として活動しているにもかかわらず、、未だ福山さんを超えるほどのヒットを残すことができていません… これは一体なぜなのでしょうか?
実は、これと同じことがビジネスの世界、僕らがお会いするお客さんの間でもよく起きているなと感じています。
例えば、ある業界の方とお話をしていると、「その業界なら、〜〜さんが有名ですよね?」と聞くと、、「いや、〜〜はダメだよ。全然薄っぺらな知識で何もわかってない。
あいつは広告とかでうまくやってんだよ。」というような言葉をよく聞くんです…
このような言葉は、本当にいいものを作っているなーという、職人肌の人から聞くことが特に多いと感じています。(なぜなら、、うちの父親もそうだったので。笑
うちの父は日本料理の料理人で、小さな旅館を経営しているんですが、昔から、いつもこのようなことを言っていました…)
もちろんこの方の知識量・技術の高さは本当に素晴らしいものです。
でも、、このように批判をしているタイプの方に限って、なかなか業界のトップ、権威と呼ばれる地位につくことはできずに苦労してしまい、逆にそこまでの知識を持っていない人が業界の権威として注目され、常に大きな売上を上げ続けることになってしまうのはなぜなのでしょうか?
そんなことを考えていた時、ちょうどその疑問を解くカギをリッチがくれたので、ここでシェアさせてもらいますね。
とある講座を聞いていた時、リッチは業界トップクラスの権威になれる人、なれない人を分けている大きな違いは、たった1つのことだと言っていました。
これは一般的に考えられていることとは逆の発想だとリッチは言っているのですが、それは、、
「トップにいるような人たちは、大抵の場合とてもシンプルな考え方をしていて、他の専門家のようにグレーゾーンがあったり、はっきりと理解できないようなことがなく、白黒はっきりしていてわかりやすい。」ということ。
同業者とは違い、一般の多くの人は基本的にシンプルなものを好むため、知識・技術がその分野で最高レベルということよりも、同業者から凄いと認められていることよりも、、白黒はっきりとしていて、わかりやすい表現ができる方が権威として認知されやすくなるそうです。
例えば、、アメリカでは大人気のファイナンシャルプランナー:「スーズ・オーマン」という人がいます。
彼女は元ウエイトレスから、投資で資金を全て失ったことから金融の世界へと入るという異色の経歴を持っていますが、、そのような経歴からか、知識が浅いことからか、多くの金融のプロたちからはかなり嫌われています。
でも、その他大勢の有名になれていないファイナンシャルプランナーとは違い、彼女はアメリカの「CNBC」で「Suze Orman Show」というテレビ番組を持っていたり、数々のベストセラー本も執筆しています。
なぜ彼女がここまでの人気・権威を得られたかというと、やはり金融・投資という複雑な分野の内容を白黒はっきりわかるようシンプルにして、誰でも理解できるようにしたからなのです。
彼女のテレビ番組「Suze Orman Show」では、ゲストとなる一般のお客さんが登場。自分が買いたい物・投資物件について、その値段や欲しい理由、そして自分の資産・負債を明かします。
そして、「これ欲しいんだけど買っていいかな?」とスーズに聞く。そんなコーナーがあるんですが、彼女はそれに対して、「OK」か「NO」をズバズバと答えるという、とてもシンプルなスタイルをとっているのです。
彼女がするアドバイスはと言えば、「自分の懐具合を超えた出費はするな。」「月々の収入の範囲で暮らせ。」といった、ぶっちゃけ誰でも言えるレベルのこと。
決して小難しい株式・不動産の話や、難しいアドバイスをするわけではありません。シンプルに、当たり前の事をはっきりと言ってくれるから人気があるのです。
また、アメリカで一番有名で、売れっ子の心理学者と言われる「ドクター・フィル」という人がいます。
彼も自分のテレビ番組を持ち、書く本はベストセラー書籍となり、セレブのクライアントも複数抱えています。
彼はパッと見普通のおじさんですし、アメリカで最も高度な訓練を受けた心理学者というわけではありません。
最も優れた技術・知識があるわけでは決してないため、多くの同業の専門家たちからは批判されていますが、それでも普通の精神科医、心理学者の何十倍〜何百倍もの収入を得ています。
その秘訣はというと、、やはりスーズの事例と同じで、心理学という複雑な分野を、白黒はっきりわかるようシンプルにして、誰でも理解できるようにしたから。
彼がテレビでするアドバイスといえば、やはり「それを辞めなさい」「現実を見なさい」といった至ってシンプルなことなのです…
なぜ、このようなことが起きるかというと、結局のところその業界で権威者になるためには、自分が持っている専門知識をマーケットで売らないといけない。そうなると、一般の知識のない人たちが相手になるので、とにかくわかりやすく、シンプルにしないと伝わりません。
なので、業界の権威者になるには、僕たちが思っているほど専門知識は必要ないのです。
むしろ知識を広めていくためには、知識の豊富さ、複雑さは逆効果にさえなることがあります。実際、あなたがめちゃくちゃ詳しい分野でもない限り、「それには50通りの方法があります」などということは聞きたくないですよね?笑 もっと明確に、シンプルに、何をすべきかを教えて欲しいと思うはず…
これは特に、見込み客が問題を抱えていて、それをずっと解決できずにいるような状況ならなおさら効果的です。
なぜなら彼らはすぐにでもそれを解決したいので、複雑な話・あいまいな話を延々とされるよりも、シンプルに「こうしなさい。」と、言い切って欲しいと願っているからです。
そして、実際にこれができると、見込み客から見たあなたの権威性というのは、自動的に上がっていきます。
なぜかというと、人は頭の中で「もし私の問題が理解できるなら、この人はその解決策も知っているはずだ」と自動的に考えたり、期待する性質があるからです…
冒頭でご紹介した歌手の福山雅治さんも全く同じ。音楽の知識や技術では業界ナンバーワンではありませんし、同業者には批判されています。
でも、非常にわかりやすく、多くの一般の人に受け入れられる音楽を作っている。だからこそ20年以上も日本を代表する歌手として活躍し続けていられるのだと思います。
最後に、このリッチの教えを実践していくにあたってぶつかるであろう、「同業者からの批判」への対処について、ダン・ケネディがとてもいい言葉を残しているので、こちらを引用して終わりにさせていただきます。
”「情報発信をする際に同業者の反応を気にすると、見込み客にとっては無意味で専門的すぎる情報になる。マニアックで専門的な情報を発信すれば、同業者からはおお!と思われるかもしれませんが、マーケティング的には何の意味もありません。
常に顧客を見ながらメッセージを作る必要があるのです。「お金をくれない人の意見は気にするな」です。常にお金をくれる人のこと、マーケットが最優先です。
もし、あなたよりも詳しい同業者がいたとしても、その人が見込み客に認知されていなければ、あるいは情報をきちんと見込み客に伝えることができていなければ(情報が届いていなかったり、難しすぎてわかりにくかったりすれば、)その人は見込み客からしてみれば存在していない、知識を持っていないというのと同じです。
逆に言えば、あなたも情報をきちんと届けていなければ、見込み客にとっては存在しないのと同じです。」”
ダン・ケネディから学ぶ「稼ぐ社長」の作り方 寺本 隆裕 より引用
もしあなたが、すでに良い商品・サービスを提供しているという自負があるなら、、ぜひ、今日お話ししたポイントを意識していただければ、もっと多くのお客に認知され、業界の権威へと近づくことができるようになるでしょう。
萩原 敬大
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