From:萩原敬大(はぎわらたかひろ)
”「何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。できないことによって何かを行うことなど、到底できない。
誰でも自らの強みについてはよく分かっている。だが、たいていは間違っている。わかっているのはせいぜい弱みである。それさえ間違っていることが多い。」”
マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーはこう言いました。
この「強み」については、僕たちがお客さんからもっとも質問されることが多く、リッチの教えの中でも中核をなすテーマです。今日は、この強みの特徴や、その定義。さらにドラッカーが推奨しているワークで、僕が実際に実践してみて、強みを見つけるのに役立ったものを紹介したいと思います…
「強み」は成果を通してその姿を表す
ピーター・ドラッカーは強みについて、こうも言っています…
“「強みはある一点によってのみ測られる。それは、、成果である。強みはぼんやりとした抽象的なものではなく、成果という具体的なものの中に、その姿を表すものだ。「強み」は成果を通してその姿を表す。」”
つまり、、たとえ情熱があったり、楽しくできたとしても、結果的に成果が上がらないことは自分の強みではなく、そこに固執してしまうと成長することができません。一方で、現時点で自分が認識をしていなかったとしても、成果が上がることは「強み」の可能性があるということです。
「強み」というのは、
苦労を伴わずに成果が上がるので、自分では当たり前のことだと思ってしまいがちですが、そうではありません。実は、そういったものこそが強みの可能性が高く、それを自分の強みと認識し、熱意や意欲を持って取り組む事で、さらに大きな成果が出ることが期待できるのです…
リッチの事例でいうと、、リッチは、元世界五大会計事務所のアーサー・アンダーセンで、戦略企画担当として働いた後、若干20代にして、親族の経営していた潰れかけの服飾店の立て直しを引き受けます。その店は、損益分岐点が3億円のところ、年商1億5千万円しかないという、まさに最悪の状態からのスタートでした。
そこで、リッチは自分の強みである戦略性と、その当時クラブにハマっていて、クラブの文化やそこに来るお客さんについての知識、音楽への知識を活かし、「マンハッタンで最先端を行く店にしよう。」というゴールを設定し、そこから逆算して、店を作り上げていきました。具体的には、店の中にライブのDJを入れて音楽をかけたり、アメリカで初めて「ディーゼル」や「G-Star」と言ったブランドを海外から輸入しました。
その結果、有名歌手もお忍びで訪れるなど、わずか2年でマンハッタンで一番ホットな店と呼ばれるようになり、年商6,5億円の高収益企業へと変身を遂げました。
”強み”を忘れて大失敗…
その後、リッチは同じように自分の強みである戦略性と、マーケティングスキルを活かして、全くの未経験から「催眠療法」のビジネスへと参入しますが、ここでもライバルの裏をかき、年商13億、従業員数100名を超える全米最大のフランチャイズチェーンを作り上げました。
その後、意気揚々とインターネット・マーケティングへと参入しますが、ここでリッチは大きなミスを犯します…
インターネットビジネスの、いつでもどこでも稼げる・・そんな自由なライフスタイル
に憧れたばかりに、
今までの成果を出してきた「強み」を忘れ、他の人がやってうまく言ったノウハウ(つまり戦術)に走ってしまったのです。。そうして、彼はたくさんのインターネットで稼ぐ方法のノウハウを買い漁り、片っ端から実行しますが、、全く成果は出ませんでした。
そのどれもが難しく感じ、以前のビジネスよりもはるかに長く、毎日深夜まで働いているにも関わらず、収益は少なく、成果はほとんど出ませんでした…なんと、2つのビジネスを成功させてきたスーパー起業家のリッチでさえ、これまで成果が出ていた自分の「強み」に目を向けることを忘れてしまっていたのです。。
そこで、リッチは何年も前から書き続けている日記を見返したところ、その誤ちに気づき、すぐさまインターネットビジネスへのアプローチを変えます。以来、誰かがやってうまくいった”戦術”は一切無視して、強みである戦略性に基づいてビジネスを組み立て直しました。
さらに、もう1つの強みである、見込み客の頭の中に誰よりも深く入っていけるマーケティングのスキルを活かして、レポートを使って教育するという独自のアプローチを完成させます。その結果、1年で7億円弱の売上という驚異的な”成果”を手にしました。
リッチは、
自分にとって自然にできて、かつ成果が出る「強み」に集中したことで、新しい分野でも大きな成功を手にすることができたのです…
強みの特徴と定義
リッチは、インターネットビジネス「マニフェスト」の中で、強みについてこのように書いています。
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強みの特徴
・得意であり、他人も気が付いている。
・それをやることが楽しい。
・それをやるときにイキイキする。
・それを継続的に向上させている。
・それをやっているとき、フローの状態になる。
強みの定義
才能=生まれ持ったか、3歳以下のときに発達させた特殊な能力。
思考方法や感情や行動など。
教育=あなたが物事を吸収するために用意された情報。
経験=人生を通じて学んだこと。または観察によって得たもの。
技能=あなたがより簡単に学ぶための、専門家によるステップバイステップの指導。
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これらが組み合わさったものが、あなたの強み。
強み=あなたが信じられないほど上手に、簡単に、いつでも行えること。
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リッチ・シェフレン著:インターネット・ビジネス「マニフェスト」より引用
このように、才能や経験など、いろいろなものが合わさってあなたの「強み」は形成されるので、「これを強みにしよう」というふうに簡単に作り出せるものではありません。また、リッチの言う強みの定義を見ていただいて分かる通り、強みというのは、
ほとんど無意識的にできるレベルのものなので、なかなか自分自身では気づきにくいものです…
”フィードバック”を利用して強みを見つける
では、どうすれば、自分の強みを見つけられるのか?ここで、ピーター・ドラッカーはの以下のように言っています…
”「強みを知る方法は一つしかない。フィードバック分析である。何かをすることに決めたならば、何を期待するかをただちに書き留めておく。9か月後、1年後に、その期待と実際の結果を照合する。私自身、これを50年続けている。そのたびに驚かされている。」”
この”フィードバック分析”というのが、ここ1年ほど僕が実践してみて、自分では気づいていなかった”強み”と思われるものを、見つけることができたワークです。具体的には、、
Step.1
自分の「強み」を意識して目標設定をします。これは会社でも個人でも共通していますが、外から押し付けられた目標ではなく、しっかりと自分自身納得できるものにする必要があります。そして、漠然としたものではなく、成果が数字や指標などで測れるものにしてください。
Step.2
毎日、1日の終わりに自分と向き合い、日記をつけます。そして、そこには、
・強みの原石(1日の中で少しうまくいったこと、成果が出たことなど)
・弱み(うまくいかなかった、成果が出ない、苦手なこと)
・他人から褒められたこと
この3つを必ず振り返って、思いつく限り書いていきます。
Step.3
これを毎週1回、毎月1回、3ヶ月ごと、半年、1年ごとの区切りで集計し、共通しているものを見つけます。集計してみると、繰り返し現れるパターンが見えてくるので、それはあなたの強みの可能性が高いと言えます。(ただし、、何度も言いますが、”成果”が出ているものに限ります。)そして、弱みの中で共通しているものは、できる限りやらないように他の従業員に任せるか、外注します。
あとはこのStepを何度も繰り返すだけです。
これをやったことで、僕自身は今まであまり認識していなかった「直感力」という強みの原石を見つけることができました。約1年ほどで手がかりを見つけることができるのですから、このようなフィードバック分析を20年近くやっているリッチ、50年やっていたドラッカーはとんでもなく自分自身のことを理解しているんだろうなーと思います。
正直このワークはめちゃくちゃ地味ですが、、おそらく続ける人はほとんどいないので、実践するだけでかなり差をつけることができると思いますよ。
萩原敬大
PS.
リッチの代表的なコーチングプログラム
「ビジネス・グロース・システム」のモジュール2では、この強みについて詳しく解説しています。今は募集していませんが、強みを知るための様々なワークやツールなども多数紹介しているので、自分の強みについて深く知りたいなら、、並行して取り組むことをオススメします。