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午前4時。突然の電話…

2017.9.9 | ,

From:萩原 敬大(はぎわら たかひろ)

これからあなたに、人間心理についてのちょっとしたテストをします。2つの例を話すので、それについて、少し想像してみてください… 時刻は朝の4時。突然部屋じゅうに鳴り響く電話のベルであなたは起こされました。電話に出てみると、相手はお隣さんでした。

1つ目の電話の内容は、「近所のタイヤ販売店が、今だけ新品のタイヤを無料でプレゼントしてくれるらしいよ!」というものです。それを聞いて、あなたならどう思うか考えてみてください。

2つ目の電話の内容は、「3人のヤンキーが、今、あなたの車庫に止めてある車のタイヤを盗もうとしてるよ!」というものです。こちらはどう感じるでしょうか?

この2つの違いを冷静に考えて見て欲しいのですが、、よく考えると、結局のところ、どちらもタイヤについての電話です。そして、どちらにしても結果(収支)は同じなのです。なぜなら無料で新しいタイヤをもらうか、すでに持っているタイヤが盗まれるのを防ぐか。ということなので。

それでも、間違いなく盗まれるのを避けたいと思いますよね。朝っぱらから、無料でタイヤがもらえるよ。なんて電話を受けたら間違いなくキレますが、、チンピラがタイヤを盗もうとしているぞ!と教えてくれたら、今すぐ行動しないと!と感じ、あなたは確実にその人に感謝するはずです。

人は利益を得ることより、損失を防ぐことを重視する

この事例は、その昔世界一と言われたあるセールスライターがよく使っている引用で、リッチもお気に入りのものなんですが、、

”「人間の行動は喜びを得たいという欲求と、苦痛を避けたいという欲求に動機付けられている。そして、その2つの欲求のうち、人間は苦痛を避けることを、喜びを得ることよりも優先する。つまり、利益を得ることより損失を防ぐことを重視する。」”

ということをよく表す例だと思います。これはマーケティングにおいては基本中の基本ですが、、今日は、この本能に埋め込まれた欲求をうまく活用することで、あなたのメッセージの反応を高める方法をご紹介します。

ある大学の授業で起きた出来事…

あるファイナンスのプロが、小樽商科大学の財務管理論という授業の中で、お金の価値を体感するワークをしました。すると、、ある設問のところで、受講生からこんな声があがったと言います。その設問とは…

設問:
今すぐ100万円がもらえる権利は、1年後にいくらもらえる権利と同等ですか?(1年後にいくらもらえることが確約されれば、今すぐに100万円をもらう権利を放棄してもいいですか?) 

この設問には、見ての通り( )でわかりやすくするための説明がついているんですが、、これを見た何人かの生徒は、聞いている内容は似ているが、これは同じじゃない。という声があったそう。

よくよく、「どうして?」と聞いてみると、( )の中にある文章の「放棄」というキーワードが引っかかり、「放棄する方が嫌だ。なんか抵抗感がある。だから、この聞き方をされると金額を大きくしたくなる。」そんな風に答えたそうです…

不思議ですよね。これは行動経済学では「プロスペクト理論」と呼ばれる現象だそうですが、こんなほんの些細な文言1つでも、リスクを前にした人間にとっては行動を変えてしまうほどのパワーがあるようです。

”エコバッグ”が普及したきっかけ

また別の例で、スーパーで「エコバッグ」というのを使っている人がいますよね。今は結構増えてきたなーと感じますが、発表した当初はなかなか広まらずに苦労したそうです。

その当時、スーパーがやっていた施策というのは、、「エコバッグを持ってきたら、2円か3円値引きする」というものだったそうです。持ってきたらお金がもらえるんだから、得になるわけですね。でも、、これでは普及しませんでした。

そこでどうしたかというと、、今度は多くのスーパーが「レジ袋を2円〜3円で売る」ことにしました。お客にとっては、エコバッグを持ってこなかったら、追加の負担が求められる(損失に繋がる)ようなシステムにしたわけです。その結果、、エコバッグは一気に普及したと言われています。

このように、、どちらの事例もめちゃくちゃ些細なことでスルーしてしまいそうな話なんですが、マーケティングに応用すればとても強力。見込み客にとって欲しい行動へと意識づけする力になります。

セールス=「痛めつけて助ける」ビジネス

リッチの経験では、これまで見込み客が得られる「ベネフィット」と、「失うことへの苦しみ」に焦点を当てたシナリオ・ウェビナーでは、決まって、苦しみや問題、葛藤を増大させるマーケティング手法のほうが、大きな見返り(ベネフィット)を約束するものよりも良い結果を出しているそう。

あなたもご存知のように、人は誰しも悩みや葛藤を抱えています。葛藤とは、まだ達成できていない目標や、解決できていない問題のことです。誰もが葛藤を抱えているんですが、、毎日の生活を何とか普通にこなすために、そういうことは極力考えなくて済むように意識的に無視する。抑圧するようにしています。

自分に立ちはだかるすべての困難や障壁、問題に直面しなくても済むように、たいていの人がいつも心の奥底にしまい込んでいるのです。(そうでもしないと、、常にそんなことばっかり考えていたら、頭がおかしくなってしまいますからね…)

そのため、マーケティングやセールスは、しばしば「痛めつけて助ける」ビジネスだというふうに言われます。見込み客が心の中にしまいこんでいる痛みを増大させ、浮き彫りにし、それを煽るからです。それから、、あなたの商品を問題を軽減する解決策として提示するのです。

聞こえが悪いように思うかもしれませんが、、あなたが本当に良い商品を扱っていて、それを使ったら見込み客の人生は今よりも良くなる。と本気で信じているなら、そこに罪悪感を感じる必要はありません。見込み客があなたの商品に手に取ることなく、もっと悪い状況になってしまう方が、相手にとってははるかに大きな損失なのですから。

インターネットビジネス「マニフェスト」の事例

もしお手元に「マニフェスト」があればぜひ読んで欲しいのですが、28ページに、今日取り上げているテーマについて、リッチがとても巧妙に作り込んでいる箇所があります。

当時、インターネットビジネスの業界は活気が出てきていて、とてもチャンスがありました。なので、リッチもアメリカ大統領の選挙戦でもインターネットが活用されている〜というデータを持ち出し、少しだけそのチャンスに触れます。しかし、、その得られるメリットの方をそれほどここでは強調しません。

どちらかというと、このまま細々とインターネットビジネスをしていたのでは、いずれあなたはビジネスをやっていけなくなるよ。という損失の方を強調しているのです。

ざっくりまとめるとこんな感じのことが書いてありますが、、

”「インターネットはまだチャンスがあるが、、もしあなたが真のビジネスを構築しなければ、他の業界やメディアのように、遅かれ早かれ巨大ビジネスが自営業者たちを飲み込んでいく。

例えば、過去のテレビ通販ビジネス、自動車業界(1900年代のアメリカには250ものメーカーがあった)、新聞業界、小さな商店とコンビニ・スーパーのように。。その理由は、巨大ビジネスは、いつも個人事業的にビジネスをしている人たちをやっつけ、お金を奪い取ってしまうから。

私自身の経験では、最初に服屋を経営していた時には、通りに個人店舗があふれていました。でも、4年後には巨大ショッピングモールに侵食され、ほとんどの店はビジネスをやっていけなくなりました。その次の催眠療法ビジネスでは、私が全米最大規模の店を業界で初めて作りました。そして年間3億円の広告費を使いました。他の個人事業主たちは数十万円しか使えなかったので、あっという間に廃業に追い込まれてしまいました。 テレビ通販でも… もちろんこれはインターネットでも、、」”

という風に損失についての事実、データを踏まえた数ページの文章を盛り込んでいるんですが、これにより見込み客の心の中に「マニフェストを今すぐ読まないといけない!」「一刻も早く真のビジネスを作らないといけないんだ、、」という気持ちを作り出すことに成功しています。

行動へと促すための”枠組みを作る”3step

人間は利益を得ることよりも、損失を避けることを重視する。この性質を利用して、見込み客を行動へと促す”枠組みを作る”こと。これこそがマーケターの仕事だと、リッチは言っています。ではどうしたらいいのか?… ここでは3stepでそれを実践する方法をご紹介します。

Step① 問題をリストにする 
まずは、見込み客が抱える問題をリサーチし、それをどんどん書き出してリストにしていきましょう。これは処置しなくてはいけないことであると同時に、考える材料にもなります。

Step② それらの問題が持つ隠れた意味を考える 

そして、それらの問題が持つ”隠れた意味”について考えてみましょう。言い換えると、その問題があることで、他にどんな問題を引き起こすのか? どんな影響があるのか? ということを深掘りして、全て明らかにするのです。これを深く考えていくと、見込み客自身でさえも気づいていないような深い問題だったり、気づきを与えられる可能性があります。

Step③ その問題をしっかりと浮き彫りにする
見込み客に損失へとしっかりと向き合ってもらうために、それをやらなかったらどうなるか? 問題を放っておいたらどうなるか?… ということを、イメージできるように、リアルに描写します。

「危険です。」「恥をかきます」みたいな一般的な言葉では想像できません。実際にあなたが経験した状況など、見込み客の心に響くようなストーリーがあればベストです。もしちょうどいいストーリーがあって、それを上手に語ることができたら、売上は伸びるでしょう。

潰瘍性大腸炎を直す方法について教えている、リッチのクライアント事例がぴったりなので、ちょっとそれを話します。 この人の見込み客の問題を一般的な言い方で言ったら、「急にお腹が痛くなるのは辛いですよね。」みたいな話なんですが、これはどこにでもありそうなので、なんの注意も引けません。ですが、、

”「うちの奥さんの両親がカナダに別荘を持っていて、夏にはそこに4人で遊びに行くんです。でも、1つ問題があって、、その別荘はキッチンの真横にトイレがあるんですよ。急にお腹が痛くなっても、奥さんの両親がいるのでなかなかトイレにはいけない… それで我慢しなきゃいけなくて、すごく苦しくなっちゃうんです。。」”

と、ストーリーに乗せて伝えると、全然変わってきますよね。

ちなみに、リッチが企画段階でアドバイスをした、世界で2番目に売れたセールスビデオも、完全にこの「損失を避けたい」という気持ちを増大させ、「今すぐ行動しないと!」と見込み客に思わせる作りになっていました。

ぜひ、あなたもこの3stepについて考え、さらにそれをうまく説明する方法はないか、改善する方法はないか、じっくりと考えてみてください。そうするとより一層効果的になるはずです。

萩原 敬大

PS
リッチはマニフェストを始め、7つのシナリオを作って累計23億円以上の売上を上げています。そのどれもが「損失を避けたいという気持ち」をうまく使って成功しているんですが、、今、その秘密を全て公開した新講座を作っています。 内容のチェックをしながらも、個人的にかなり興奮しています。来週には発表できると思うので、、お楽しみに。

 

 

 

萩原 敬大
萩原 敬大

Strategic Profits マーケティングマネージャー
メールマガジン購読者数41,238人(2017年1月5日時点)日本におけるリッチ・シェフレンの独占販売権を持つ【Strategic Profits】のマーケティングマネージャー兼セールスライター。販売プロモーションの企画、広告運用、セールスコピーのライティングなどを統括している。

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