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ふざけるな!(と思ったらチャンス…)

2017.1.28 | ,
From:萩原敬大(はぎわらたかひろ)

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”「1997年のある日、1人の男が家で暇を持て余し、古新聞を束ねたり、山積みになった通販カタログを選別したりしていた。すると、置きっぱなしになった紙屑の下から、とんでもないものが出てきた。映画「アポロ13」のビデオだった。6週間前のある夜、妻と一緒に楽しんだビデオだった。次の日の朝に返却しなければならなかったヤツだ…彼はひどく落ち込んだ。

まず頭をよぎったのは、延滞金だった。・・”40ドル。”それだけあれば新品が買えるじゃないか!彼はしみったれた後悔にさいなまれた。自分の不注意が招いたことだったからだ。

次に頭に浮かんだのは、さらに落ち込むようなことだった。「妻はなんて言うだろう?」おそらく何も言わないだろう。それがわかっていたので、ますます辛くなってきた。妻の反応は手に取るようにわかった。世の辛抱強い奥方たちと同じように、呆れた顔をするだけだ。ヘイスティングスの言い方を借りれば、「殺されかねないような呆れ顔を」。

こんな思いをした人はごまんといる。だが、彼がその他大勢と異なっていたのは、この煩わしさから疑問が生まれたことだ。ビデオ・レンタルの仕組みと、そこから派生するハッスル(イライラや面倒な事柄)に対する疑問だった。

その日、延滞金40ドルのことをくよくよと考えながら、ジムに向かう道で、ふと疑問が湧いた。「なんでビデオ・レンタルはジムのようにできないんだ?どこで見ようと、何度見ようと見まいと、同じ料金ってわけにはいかないんだ?」疑問は次々に浮かんできた。

ビデオレンタル業は延滞金なしの定額会費では成り立たないのか?顧客は延滞金を課さなくても返却するだろうか?顧客を満足させられるだけの在庫を準備することができるだろうか?それで採算はとれるだろうか?男は頭に浮かんできたアイディアを、まずは紙の上で、次に実生活の中で考えていった…」”
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「ザ・ディマンド」~爆発的ヒットを生む需要創出術~エイドリアン・スライウォツキー著より引用:


今日の記事の冒頭は珍しく、ある男のストーリーの引用から始めました。この男の名前はリード・ヘイスティングス。おそらく勘がいいあなたならお気づきだと思いますが、彼は21世紀、最も急成長を遂げた企業のひとつ「Netflix(ネットフリックス)」の創業者です。

当時、米国でビデオレンタル業界の巨人として君臨していた「ブロックバスター」を倒産へと追い込み、Netflixは今では売上高7,700億円へと成長しました。今も急成長を続けるNetflixですが、、そのすべての始まりはたった一人の”ハッスル”(イライラや面倒な事柄)への疑問から始まったのです…

 

”ハッスル”にこそ爆発的なディマンドが隠れている


 


僕たちが住む日本をはじめ、今、豊かになった先進国にはモノが溢れています。ただし、そんな恵まれた状況でも、日々の暮らしの中にはイライラするような出来事、失望させられること、不自由さ、ややこしさ、リスクなど、、あらゆる種類の”ハッスル”があります。なので、お客さんが本当に欲しいと感じているものと、仕方なく妥協して受け入れる商品やサービスの間には、まだまだ大きなギャップが残っているのが実情です。

Netflixの創業者が気づいたように、このギャップ、そしてお客さんが密かに感じている”ハッスル”こそが、新たなディマンドを創造する機会を提供してくれる。と、「ザ・ディマンド」の著者エイドリアン・スライウォツキーは語っています。(ちなみにこのスライウォツキー氏は、リッチ・シェフレンが天才と推す経営学者です…)

さらに、スライウォツキー氏いわく、、Netflixのように強烈なディマンドを市場に作り出した企業と同じく、ディマンドを作り出すためには6つのステップがあると言っていています。その1つが、今日紹介した「ハッスル・マップ」という考え方で、お客さんの時間とお金をムダにする商品・サービスの欠点を明らかにする。というものです。

どんなに優れたモノでも、大半の商品・サービスには欠陥があり、イライラするようなハッスルが発生します。例えば、大きな会社の例であれば、そこまできめ細かな要求には答えられていない可能性が高いので、、たくさん種類があって、わがままをなんでも聞いてくれて、安くて?と、100%満足するものが手に入ることは滅多にありません。

ディマンドを作り出す使命を負った起業家・マーケターにとっては、、ここに巨大なチャンスが埋もれています。日々の暮らしの大部分を占める”ハッスル”を分析し、改善方法を見いだすことで、まだ世に出ていない巨大なディマンドを作り出すことができるのです…

 

全てはただ1人の”ハッスル”から


 

例えば、、カーシェアリングという新たなディマンドを作り出した「ジップカー」も、最初は原油価格の乱高下のせいで家計を圧迫するガソリン代の高さ、かといってすぐには予約できず、価格も高いレンタカーへの”ハッスル”への疑問から生まれたサービスでした。

また、イギリス国内で300店舗、アメリカや香港にも広がる人気サンドイッチ店の「プレタマンジェ」は、創業者が”ロンドンのビジネス街のランチの味のひどさ”に耐えきれず、サンドイッチ屋さんを始めたくて始めたというより、自分と同じようなお客さんのハッスルを取り除きたいと思って始めた。というのがすべての始まりでした。


 

リッチ・シェフレンの事例


 


リッチがよく引用する言葉で「自分だけが感じている問題だと思われるほとんどのことは、だいたいにおいて他の多くの人も感じている問題だ。」というものがあります。

これはまさに”ハッスル”に通ずるもので、もしあなたが使っている商品・サービスについて強烈なイライラ感、不便さ、失望(つまりハッスル)を感じていたら、それはあなただけではなく、他の人も同じように感じている可能性がかなり高いということです。

リッチはこれまで築き上げてきた全てのビジネスで、このプロセスを使い、巨大なディマンドを作り出すことに成功しています。

例えば、、最初に手がけた親族の服飾店では、リッチはクラブミュージックが大好きで、毎晩のようにクラブに行っていましたが、クラブシーンの最先端を行くような服がないこと。クラブのような雰囲気を楽しめる服飾店がないことにハッスルを感じていました。

そこで、店を真っ暗にしてミラーボールを置き、DJを連れてきて、クラブミュージックをガンガンかけました。アメリカではまだ買えなかった最先端のブランドをヨーロッパから輸入し、いち早く店頭に並べました。

その結果、エリック・クラプトンやジュリア・ロバーツ、マドンナなどの有名人がお忍びで買い物に来るなど、これまでになかったディマンドを生み出し、1,5億円の年商を3年で6億円以上にしました。

 

1人のハッスルが生み出した爆発的なディマンド


 


また、インターネットマーケティングの業界に参入した時も、、小手先のテクニックばかりで結果の出ない情報商材、結果が出てもすぐに使えなくなってしまうノウハウにうんざりしていました。また、そのような教材をわかっていても買ってしまう…”チャンス追求型”の自分に強いハッスルを感じていました。

そこで、インターネット起業家の多くがこのような”チャンス追求型”のアプローチに陥ってしまう根本原因を明らかにし、そこから脱出するための解決策として、ビジネスを戦略的に構築するという方法を提案し「マニフェスト」は200万人にダウンロードされるなど、爆発的なディマンドを生み出しました。

リッチはよく、「マニフェスト」を読んだお客さんから「リッチが自分のすぐそばに立っていて、しばらく生活を覗かれていたんじゃないかと思った。」そんな感想をもらうことがあると言っていますが、、これも全て、もともとリッチ自身が感じていたハッスルが元になっているということ。そして、そのハッスルを仕方ないか。と、放置せず、しっかりと分析して言葉にしたことから生まれているのです。


 

そのハッスルを感じているのはあなただけ?


 


あなたには、このようなハッスルを感じる出来事はありますか?

「自分だけが感じている問題だと思われるほとんどのことは、だいたいにおいて他の多くの人も感じている問題だ。」

この言葉をしっかりと刻み込み、あなたの周りにある小さなハッスルにも気を配るようにしてみてください。本当にこれを我慢しなきゃいけないのか?なんとかしてこれを解決できる方法はないだろうか?冒頭で紹介したNetflixのリード・ヘイスティングスのように、そこが、まだ見ぬ巨大なディマンドの入り口になっているかもしれませんよ。


萩原敬大

 
 
 
 
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萩原 敬大
萩原 敬大

Strategic Profits マーケティングマネージャー
メールマガジン購読者数41,238人(2017年1月5日時点)日本におけるリッチ・シェフレンの独占販売権を持つ【Strategic Profits】のマーケティングマネージャー兼セールスライター。販売プロモーションの企画、広告運用、セールスコピーのライティングなどを統括している。

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