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Amazon:ジェフ・ベゾスの予言…

2017.8.5 | ,

From:萩原 敬大(はぎわら たかひろ)

1998年、創業間もないネット書店の「Amazon」は大幅な赤字を出し続け、投資家からは猛烈なプレッシャーをかけられていました。しかし、天才経営者:ジェフ・ベゾスは、「倉庫・物流機能を自前で持つことが、長期的な競争力を握る」そう信じて疑いませんでした。

結果、、19年経った今「Amazon」は一人勝ち。ベゾスは一時長者番付けでもトップに立つほどの成功を収めました。実は、そんなベゾスが当時、インターネットを使ったビジネスの未来について、もう1つ驚くべき予言を残していたのを、あなたは知っていますか?

答えを言う前に、、それに関連して、今アメリカで反応が取れているWebサイトの最新事例が、ある記事でシェアされていたので、先にその話をしますね…

今、反応が取れるページの”特徴”

その記事によると、これまで多くの会社のホームページは単一のトップページで、あらゆる人に同じメッセージを発していたが、もはやみんなに向けた幅広いメッセージ、いわゆる単一のトップページの時代は終わったということが書いてありました。

そして、これからのポイントは”パーソナライズ”で、いかにその訪問者に合わせたページを表示するかによって、反応率は大きく変わるとのこと。実際、そこには「Optimizely」という企業のトップページでの実験事例が乗っていたのですが、ここではなんと26パターンものページを作ってテストをしたそうです。

これがまたなかなか面白かったんですが、試しに夜20時くらいに訪問してみると、、

 

こんな感じで、ここの本社はアメリカなんですが、、ちゃんと「good evening」と、日本に合わせて挨拶をしてくれています。

そして、朝に訪問してみると、、こちらもしっかり「good morning」になっていました。

 

 

どうやら、、深夜〜明け方の時間に行くと、「まだ寝れないの?」というメッセージが表示されたりとか、マイクロソフトのタブレットからアクセスすると、「こんにちは、マイクロソフト」みたいな感じで呼びかけてくれるらしいです。

この26パターンのトップページを導入してからというもの、その結果としては、万人向けのトップページ1つだけの時よりも、エンゲージメントが1.5%増加したり、実際にアカウントを作成するCTAの「試してみる」ボタンのクリック率が117%増加するなど、かなり効果があったようです…

ベゾスが19年前に残した予言

では、最初の質問に戻って、1998年にジェフ・ベゾスはインターネットを使ったビジネスの未来について、なんて言っていたか? それは、、

”「顧客が450万人いるなら、店舗が1つではダメだ。450万の店舗が必要だ。」”

この先見の明、、ちょっとゾッとしませんか?… 彼は19年も前から、しかも、当時は赤字を垂れ流して批判を浴びていた真っ最中にもかかわらず、冷静かつ的確にインターネットのビジネスの未来を見据えていたのです。

今、恐ろしいほどの業績を上げているアマゾンのトップページを訪問すると、自分が最近チェックしたジャンルの本、購買履歴からみた、あなたにオススメのジャンルの本、、と、バッチリ自分専用のページになっている。。ここには着実にベゾスの予言が反映されていることがわかりますよね。

どのくらいデータを取られてるんだろうと怖いくらい。でも、便利すぎてAmazonからは離れられない、、多分ほとんどの本好きな人はそうじゃないでしょうか?

私に”ピッタリ”の時代

さらに、今、この自分にピッタリのものが欲しい、パーソナライズされたものを求める動きというのはどんどん加速しているなーと感じています。なぜなら、身近にある”実店舗の書店”でも、その傾向が出てきていたからです。

ダイレクト出版の本社があるビルの1階には「紀伊国屋書店」があるんですが、この前女性誌のコーナーをぶらぶらしていた時、なんと、こんな意外な本が売れていることに気づきました。(ちなみに変な趣味があるわけではありません。笑 トレンドを掴んだり、アイデアを出したり、タイトルのヒントをもらうのに使えるので、実はビジネス書に関わらず、幅広いジャンルのコーナーを定期的に回るようにしてるんです。)

『OVER60 Street Snap』いくつになっても憧れの女性

へー、今ってこんなニッチな雑誌があるんだなーと思って、横目で見てスルーしそうになったんですが、よくよく見ると、本も雑誌も売れない出版不況の時代に、なんと12万部の大ヒット。

すげー! マジかと思った矢先、さらにその横のコーナーに目をやると、、最近では人気インスタグラマーの出した「スタイルブック」という、素人モデルの服のコーディネートが載った本がたくさん売られていることに気づきました。

そこでまた面白いなと思ったのが、、「155cm STYLE」という本です。これは155cm以下の女性が、いかに背を高く、スタイル良く見せるかという内容なんですが、、めちゃくちゃパーソナライズされてますよね。

今はメール、ネット、SNSとどこもかしこも情報だらけ、いろいろありすぎて訳がわからない状況です。だから、、こんな風に自分にピッタリなもの・情報が欲しい。そんな欲求はどんどん高まっているんじゃないかなーと、先ほどのWebサイトの事例でもあったんですが、こんなところでもその傾向を感じました…

”お客さんを絞るのは怖い?” それなら、、

ちょうど一昨日、中谷さんが講師を務める「アドバンテージ・マーケティング」グループコーチングのセッションに行ってきました。このグループコーチングは「顧客リサーチ」がメインテーマで、リサーチによって自社の本当の強みを見つけていきます。

そして、その強みを気に入ってくれる優良顧客だけを絞り込み、その人だけに向けたパーソナライズされたメッセージを作っていきます。ですが、、やはりこれを実践する多くの方が最初に言われるのが、”お客さんを絞るのは怖い”ということ…

お客さんを狭めてしまうと、それ以外のお客さんを取り逃すんじゃないか。。本来は取れるはずだったお客さんが逃げて行ってしまうんじゃないか…そんな風に思われる方が本当に多いです。

でも、お客さんを絞らない、広くぼやっとしたメッセージでは、逆に誰にも伝わりませんし、今日のお話でもわかっていただけるとおり、、今後さらにその流れは加速していくことでしょう。 実際のところ、お客さんは絞れば絞るほど反応は高まり、売上は上がっていきます。

ただし、、もし、どうしても1人に絞るのが怖いのであれば、これは中谷さんが言っていたのですが、そのお客さんの分だけ、ペルソナを複数用意すればいいだけの話です。この商品にはこの人、こっちにはこの人という形で、ページだけはしっかりと分ける。ペルソナは1人しか設定しちゃダメというルールはないので、めんどくさいかもしれませんが、、今日の事例でもわかる通り、その手間をかける価値はあるはずです。

もし、今までペルソナを設定するという概念がなかった。お客を絞るのが怖くてできなかったという方は、ぜひこの方法を試してみてください。

萩原 敬大

萩原 敬大
萩原 敬大

Strategic Profits マーケティングマネージャー
メールマガジン購読者数41,238人(2017年1月5日時点)日本におけるリッチ・シェフレンの独占販売権を持つ【Strategic Profits】のマーケティングマネージャー兼セールスライター。販売プロモーションの企画、広告運用、セールスコピーのライティングなどを統括している。

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