From:萩原敬大(はぎわらたかひろ)
以前、「強み」についての記事を書いたのですが、割と評判が良かったので、今日はまた少し違う角度から、この「強み」と、強みを見つけるためのヒントについて書いていきたいと思います。
”「成功を収めた全ての人に共通することは、自分の持てる才能を最大限に発揮し、自らの強みを活かす術を知っていたことだ。」”と、リッチは言っていますが、そんな成功者たちの中でも、一際特徴があって、個人的にとても好きな人がいます。それが、、ウォーレン・バフェット氏です。
ウォーレン・バフェット氏といえば、世界最大の持株会社バークシャー・ハサウェイの会長をつとめ、投資家として、680億ドル/7兆7466億円の個人資産を持ち、2016年の世界長者番付では2位に輝いています。(「世界長者番付2016年版」Hurun Report(胡潤百富)調べ)
一般的に、株式投資で稼いでいる人というと、いわゆる証券マンなど、ウォール街でパリッとしたスーツを着て、朝から晩まで休みもなく忙しく働き、タワーマンションに住み、高級外車を乗り回し、派手に遊びまわる。そんなイメージが強いですよね。
でも、かたやバフェットはというと、アメリカのネブラスカ州オマハの片田舎に住み、さほど贅沢をすることもなく、毎日マイペースにのんびり暮らしている印象です。それでいて、ビルゲイツに次いで世界で二番目の億万長者になっているわけです。
いったい、何が違うのでしょうか?ここに、その違いを象徴するエピソードがあります…
ネブラスカ大学の学生たちに
バフェットが語った成功の秘訣
ある時、バフェットはネブラスカ大学で講演をしてくれというオファーを受けました。そして、彼はすこぶるラフな服装で現れると、、教室を埋め尽くした学生たちを前に、いきなりこう言いました…
「私はきみたちとなんら変わりません」
世界で二番目の億万長者が何を言っているんだ・・と、あっけにとられる学生たち。ざわつく彼らを尻目に、バフェットは話を続けます。
”「私はきみたちよりも裕福かもしれませんが、お金は大した問題ではありません。なるほど私は最高級のスーツをオーダーメイドであつらえることができます。でも、私なんかがそういうスーツを着ても、せいぜいそこらの安物に見えるのがオチです。実際、高級レストランで100ドルの食事をとるより、デイリー・クイーンでチーズバーガーにかぶりつく方がどれほどいいか。」”
??”「もし、きみたちと私になんらかの違いがあるとすれば、私は毎日朝から晩までこの世で一番好きなことをしている。ただそれだけのことではないでしょうか。きみたちに向けて何かアドバイスめいたことが私にあるとすれば、それに尽きます。」”
?オマハの片田舎に住み、何十年も朝から晩まで、大好きな四季報や企業情報を読み続けるという質素な生活をしている、ウォーレン・バフェット。冒頭でもお伝えしたように、彼はバークシャーハサウェイという巨大な会社を経営していますが、いかにも大企業の経営者のように休む間も無く走り回っているわけではないし、世界中を飛び回る超多忙なスケジュールを過ごしているということもありません。
本人いわく
「タップダンスをしながら仕事に行く」「仕事は仰向けになってシスティーナ礼拝堂の天井画を描いているようなもの。」というくらい、来る日も来る日も、大好きで、自分の強みとしていることを、ほぼ無気力に近い状態で自然にこなしているのです。しかし、そのような状態だからこそ、決断をするのは重要なごく少数のものだけ。だからこそ、ここぞというときにいい決断ができるという好循環も生まれ、さらに大きな成果が出せるのです…
強みがなければ突出した存在にはなれない
ただし、ピーター・ドラッカーも言っている通り、
”「大半の人は自分の強みを知らない。彼らに聞いてみると、ポカーンとするか、自分の知っている知識を答える。たいていそれは間違った答えである」”というように、多くの人が自分の”強み”をよく分かっていませんし、それを探すのに苦労してしまいます。
ただし、強みがわからないというのはある意味仕方のないことで、特にわれわれが受けてきた日本の学校教育では、「強みを活かせ」なんて教わることはないですし、いくら得意なものがあっても、ここが弱いからダメとか、いかに平均的に良くなるか。ということを求められてきました。
高校や、大学の受験だっていろんな科目を受けないとダメで、どこかが突き抜けて得意でも、結局平均的に優れてないとダメと言われる。。これが結果的に平均的な人をたくさん作り出し、、せっかくの強みを殺し、見えにくくしてしまうのです。
ずっとサラリーマンとして生きていくならそれでもいいかもしれません。でも、起業家となると、
”「強みがなければ突出した存在にはなれないし、そもそもそれがないと絶対に生き残ることができない。」”と、リッチは言っています。なので、もしあなたが起業家として生きていく道を選ぶなら、自分の弱みに目を向けるのではなく、強みを探し開発することが必須なのです…
強みの定義と3つの原則
そこで、今回は「マニフェスト」で紹介したものとはまた別の「強み」の定義を紹介します。マニフェストのものと合わせて参考にしてみてください。これは、1700万人以上のビジネスマンを調査して書かれた書籍:「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」に載っているものですが、、ここには以下のような強みの定義が紹介されています。
強みの定義:常に完璧に近い成果を生み出す能力
さらに、この強みの定義に従って、最高の人生を築くために最も大切な3つの原則は・・
1.強みは首尾一貫することができて初めて真の強みになる
これは、たまたま何回かに1回うまくいったー・・というものはあなたの真の強みではなく、安定して成果が出せて、結果もある程度予測できるものが強みであるということです。かつ、真の強みはそれに加えて、深い満足感も得られるものであるとのこと。
例えば世界トップクラスのプロゴルファー:タイガー・ウッズの例でいえば、あるトーナメントではたまたまいいショットが打てる。だけではなく、コンスタントにそういうショットが打てることで、それが真の強みであるといえます。
2.満足いく成果を得るには、自分の職務に関わる
全ての業務に適した強みを持つ必要はない
これは先ほどの平均的になんでもこなす…という話に関連するんですが、大成功した人たちにオールラウンドプレーヤーは滅多にいないということです。むしろそれどころか、なんらかの弱点を抱えている人ばかりだったと言います。
バフェットの例で言えば、興味のある株式投資やビジネスのこと以外はからきしダメだそうです。(「スノーボール」という著書の中で、バフェットは妻がいないと本当に何もできない。ということが書かれていました…)しかし、その分
彼は本当にごく少数の重要な決断だけにエネルギーを注ぐことができていて、ときに有望な会社を320億ドル(約3兆6476億円)もの巨額で買収するなど、大きな決断もさらりとこなし、普通ではない成果を出すことができています。
3.傑出した存在になるには強みを最大限に活かせ
これは、決して弱点にこだわってはいけない。ということです。タイガーウッズの例で言えば、ウッドやアイアンの飛距離でずば抜けていましたが、一方でバンカーは普通でした。(米プロゴルフ協会のサンドセーブランキングで61位)だからといって、タイガーウッズがひたすらバンカーを練習したからといって、絶対に勝つことはできないことは明らかですよね。。
ただし、ここでの
ポイントは弱点を無視するわけではなく、うまく折り合いをつけて、強みをそれ以上に磨く。ということです。折り合いをつけるには方法はさまざまですが、タイガーウッズの例だと、コーチがある程度満足のいくレベルまでバンカーを練習させた後は、強みのスイングの練習へと切り替えたそうです。
バフェットの例でいくと、チャーリー・マンガーという強力な投資参謀をパートナーにしたことで、格安投資という手法しかできなかった自分の限界を押し広げ、会社を何倍にも拡大することができました。
また、世界トップの億万長者ビルゲイツにしても、スティーブ・バルマーに会社経営を任せ、自らは得意とするソフトウェアの開発に専念し、強みをさらに磨いています。
あなたの才能を見つけるための4つの手がかり
最後に、あなたの才能を見つけるための手がかりを少しだけ紹介して終わりにしたいと思います。この書籍の中では、人が生まれ持った強み、または才能を見つけるためには、大きく分けて4つの手がかりがあると述べられています。
手がかり1:反射的な反応
これはもっとも有力な手がかりと言われているそうです。例えば、、極度の緊張状態や、何か予期せぬハプニングが怒ったとき。そのような状況に置かれたとき、人間はもっとも強い才能を表すそうです。なので、あなたが今までそのような状況に置かれた時に、どんな行動をとったのか、自然にできたのか?ということを調べることで、才能の種が見つかるかもしれません。?
手がかり2:切望
これは、特に子供の時など、幼いときに表れやすいもので、何かをしたいという強い願望のこと。なので、自分の幼少期を振り返ってみたり、親に聞いてみたり、幼なじみに聞いてみるのがいい方法です。また、もしあなたが、子供のいる親であれば、子供を注意深く観察することで、子供の才能を見つけることができるかもしれません。?
手がかり3:修得の早さ?
比較的年齢を重ねてから、何かのきっかけで急に才能が花開くということもあるそうです。そして、その才能の存在と程度は、新しい技術を修得する早さによって、知ることが出来ると言われています。なので、初めてやったことでも、修得が早く、簡単にできるものはあなたにとって才能がある可能性が高いものかもしれません。
手がかり4:満足感
これはあなたの才能を知る、最後の手がかりだと言われています。何かをしている時、「これはいつ終わるのか・・」というような反応ではなく、「いつまたこれをすることが出来るだろうか・・」と思えるようなものは、何らかの才能が活かされていると考えて間違いないそうです。
参考書籍:「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」マーカス・バッキンガム&ドナルド・O・クリフトン
だいぶ長くなってしまいましたが、、それほどこの”強み”(才能)というのはビジネスにおいて重要なテーマですので、書くことは尽きないですね…ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
萩原 敬大
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