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ハゲのナンパ師に学ぶセールスの極意

2017.8.26 | 

From:萩原 敬大(はぎわら たかひろ)

今日は、基礎的だけど効果的。スグに実践できるけど、ネット上ではあまり使われていない”あるテクニック”についてお伝えします。

これを実践するのにお金はかかりませんし、商品自体を変える必要もありません。それでいて、あなたの信頼性が上がり、セールスコピーの成約率も上がる方法です。

それについてお話しする前に、、まず、2人の対照的なセールスマンの話をします…

めっちゃムカついたセールスマン

まずは1人目。これは僕が実際に出会ったセールスマンです。以前契約していたマンションが某通信会社と提携していて、インターネットが無料の物件でした。

そもそも使うつもりはなかったんですが、契約したあとよくよくパンフレットを見てみると、無料の範囲ではYouTubeさえも見れないような、なんとも微妙なサービス… それ以上は結局普通にお金がかかるというものだったので、完全に放置していました。

そうすると、しばらくして、その通信会社のセールスマンと思しき人から電話がありました。内容はというと、「インターネット回線の確認を、入居者が変わった際には必ずしないといけないので、なんとか一度だけ立会いをお願いします。」というもの。

「別に使う気ないから大丈夫ですよ。」と返事をすると、「いえ、使わなくても、最初の点検だけは必ず必要なんです…」とのこと。「え、何でですか?」と聞いても、曖昧な返事が返ってくるのみで、とにかく必要なんだ。と言われるのみ。仕方がないのでOKしました。

でも、この時点でなんとなーく嫌な予感がしてたので、めっちゃ警戒していました。さらに、大した用事でもないのに午前中の貴重な時間をとるなんて…と、こちらはかなりイライラしています。。

約束の日になり、実際にセールスマンが訪ねてきました。部屋に入って、何やら軽く作業を始めたんですが、ものの2分ほどで終わりました。そして、何やらパンフレットを取り出して一方的に説明をし始めました。

どうせセールスが来るんだろう。と想定しているので、いつその話が出るかと思えば、なかなか来ない。20分ほど、こっちとしては全く興味のないどーでもいい内容を聞かされたあと、ようやく「有料のネットを契約しろ」というセールスがきました…

この時の僕は、最初から最後まで猜疑心を抱いたまま聞いているという、セールスにとっては最悪の状況。そして、セールスという本題は言わずに、別の用件と言ってアポを取ったのに、、実はセールスだった。というだまし討ちで、完全にこの会社が嫌いになりました。

当然サクッと断ってお帰りいただいたんですが、営業マンはまた断られた…という感じのかなりネガティブな表情で帰って行きました。

多分そこそこ大きなところなので、会社自体がこういう風にやれという方針なのかもしれませんが、これじゃセールスマンがかわいそうですね。自信もなくしてしまうし、時間の無駄でしかありません…

某スーツ店:10年に1人の逸材と呼ばれるセールスマン

もう1人は、以前見かけた記事に載っていた、某大手スーツ販売店のトップセールスマンです。彼は24歳ながら、入社2年で全国トップ。普通の販売員の3.5倍を稼ぎ、10年に1人の逸材と幹部が語るほどの実力者です。

彼は、さっきのダメなセールスマンとは真逆の行動をしていました。 

例えば最初に天気の話をするとか、「今日は休みですか?」みたいな、アイスブレイクのトークってよくありますよね? でも、彼のやり方ではそういう話は一切しないそう。

すぐに本題に入り、お客さんが求める機能とか、用途など、セールスに必要な情報だけを素早く、丁寧に聞き出し、すぐに1〜2着に絞り込むそうです。

彼は「多くのお客はプロの断言を待っている。」と、経験から得た持論を持っていて、とにかくたくさんの選択肢を出してお客さんを迷わせるようなことはせず、お客さんのニーズに合うものだけ、自信をもって提案するというスタイルをとっています。

また、彼は正直であることも大事にしていて、取り扱いのないスーツについて質問された時にはすぐに、それはうちでは扱っていません。と答えるそうです。

でも、、当然そこでは終わらずに、代替案をすかさず提案し、よりお客さんにとってベストな方法があるという流れに切り替えるのです。

例えば、「洗えるスーツないの?」と言われたら、「そちらは取り扱いがありませんが、軽くて伸びるスーツならありますよ!」と、絶対にノーだけでは終わらせない。

ちゃんと正直に答えた上で、代替案のメリットを提案することで、予算1万円のスーツを買いに来たお客さんに、3万円のスーツを3着も買ってもらうと言うスゴイ成果を出しています。(もちろん押し売りではなく、満足させて、、です。)

ポイント:正直であること

こうやって、実際のセールスマンの事例に置き換えて考えるとわかりやすいんですが、ネット上のセールスとか、セールスコピーに関していうと、直接お客さんの顔だったり、読んでいるお客さんの反応が見えない分、ついついやってしまいがち。

・これ、ちょっと値段が高いんだよなー…

・これ、デザインがちょっとイマイチなんだよなー…

・これ、初心者には難しいんだよなー….

そんな自分の商品にある欠点を、

「正直に伝えたらマイナスの印象持たれそうだし、、まあ…これは言わなくてもいっか。」

と、ついつい良いことばっかり言ってしまったり、あるいは、、

「最後の方にちょっとだけ書いておけばいいかな。」

そんな風に、あえて隠すように扱ってしまっていませんか? 

でも、おそらくあなたが気づいているような欠点・気になるところというのは、大事なお金を払う立場のお客さんにはバレています。そしてそれが、あなたの商品の成約率を下げてしまっている可能性があります。

もしくは、、きっちりと最後の方まで読んで、「やっぱりそういうことか!」と、騙し討ちをされたような気分で、知らず知らずのうちに信頼を損なっている可能性もあるでしょう…

このことを、リッチのビジネスパートナーでもあるダン・ケネディは、「部屋の中にいる大きな象」と表現しているんですが、、セールスコピーでは、「いやいや、ここ明らかにおかしいだろ!笑」 というところは、見込み客に指摘をされる前に、必ず正直に自分から伝えること。と言っています。

まず「それ」をなんとかしないと、見込み客は落ち着いてセールスを受ける気になんてなれないのです。

欠点を武器に変える

明らかに気になるところ・欠点というのは、見込み客の潜在意識に残り、セールスの邪魔をします。

例えば、あるナンパ師の事例で、こんな話があるんですが、、そのナンパ師は2人のハゲたおじさんにナンパを教えました。片方は比較的うまくいき、もう片方はずっとうまくいきませんでした。この2人の結果に、何が違いを生んだと思いますか?

それは、、片方は女性に声をかけるとスグに、自分がハゲているということを自分から開示し、ネタにして、逆に笑いへと変えました。そうすることで、女性の注意を引くことができ、会話へと持ち込むことができたのです。

さらに、、ネガティブな面を笑いへと変えられる姿勢が、器の大きな男という背景を暗示させ、逆にプラスの評価にさえも繋がっていたのです。(芸人なんかでは結構多いですが、ハゲを思いっきりネタにしているトレンディエンジェルの斎藤さんは、女性にすごくモテるらしいですよ。)

逆に、うまくいかなかった方は、そのことを自分からは言わずにずっと隠したまま声をかけていたそうです。いくらファッションを立派にしたとしても、トークを磨いたとしても、女性は「あ、この人ハゲてるな…」と、潜在意識では感じています。

なので、それを自分から開示して顕在意識に出していかないと、ずっと頭の片隅に違和感が残ったまま。。集中して話を聞くどころではなく、逆に疑いが強くなってしまうのです…(これは、まさに部屋の中にいる大きな象と同じですよね。)

欠点を武器に変えて大成功した事例:

最後に、商品の明らかな欠点を武器へと変え、大成功したセールスコピーの事例を1つだけご紹介して終わりにしたいと思います。

これを書いたのはジョセフ・シュガーマン。アメリカの通販広告業界ではトップクラスのセールスライターで、無名のサングラスを2000万本以上売って、レイバン、オークリーに次ぐ3番目のサングラスブランドへと育てた実績があります。

彼は商品の欠点を正直に伝え、しかもそれをベネフィットへと転換するのがとてもうまいのですが、、そんな彼の作品から、1つ有名なものをご紹介します。

これは「マジックスタット」というサーモスタットを売るためのコピーです。ヘッドラインからいきなり、「醜いデザインにうんざりしていた」と、デザインのダサさを正直に伝えています。

そして、リード文でも、「あなたは私たちのいつものセールストークを期待しているかもしれませんが、覚悟してください。ここでは情け容赦なくこき下ろします。ひどい名前、安っぽいデザイン… 私たちはすっかりやる気をなくしていました…」と、その欠点を思いっきり伝えます。

もちろん、これでは終わらずに、「1つだけ良い特徴を見つけました。」と、セールスの方向へと持っていくのですが、大きな象を隠すことなく見込み客の注意をひき、見事にデメリットをメリットに変換して、その商品のありのままの魅力を伝えていますよね。

セールスの基本は、正直・誠実であること

では、、あなたのHP、セールスコピーはどうでしょうか? ついつい、いいことばっかり言ってしまっていたり、明らかに見込み客が気にしそうな欠点を隠そうとしていませんか?

ぜひ一度見直してみてください。それだけでもあなたの信頼性・商品の成約率は上がるはずです。

セールスの基本は、正直で誠実であること。セールスコピーのテクニックを使って、相手をウマく言いくるめることではないのです。

萩原 敬大

萩原 敬大
萩原 敬大

Strategic Profits マーケティングマネージャー
メールマガジン購読者数41,238人(2017年1月5日時点)日本におけるリッチ・シェフレンの独占販売権を持つ【Strategic Profits】のマーケティングマネージャー兼セールスライター。販売プロモーションの企画、広告運用、セールスコピーのライティングなどを統括している。

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