From:萩原 敬大(はぎわら たかひろ)
これは、先日「富士急ハイランド」に行った時に撮った写真。正面に写っているのは携帯電話の「au」の広告なんですが、、発想がなかなか面白いんです。なぜかというと…
この広告には手書き風の「これより速い。」という言葉が書かれていて、何やら先端から矢印が出ています。そう、、実はここ、
世界一の速度を誇るジェットコースター「ドドンパ」のスタート地点なのです。
ものすごい音を立てて、頻繁にここからジェットコースターが出てくるので、嫌が応にもそこに目がいきます。そして飛び込んでくるのはこのauの広告。
注意を引けるというのはもちろん、「あー、そういうことか!」と、、一瞬でメッセージを伝えることができる、なかなか秀逸な広告だと思いませんか?
というわけで、、今日はこのauの広告からの学びに関連して、インターネットを使ったマーケティングにおいて、これから間違いなく重要性が増してくるといわれている”1つのポイント”についてご紹介します。
13年で増加した情報量は…なんと”700倍”
リッチ・シェフレンは「メイベン」という講座の中で、人の注意・注目が最も希少な資源となる”情報爆発の時代”(つまりアテンションエイジ)が到来したと言っています。
実際に、現代人は江戸時代の人が一生かけて得る情報を、わずか1日で消費する。なんて言われていますし、、人間の情報処理能力そのものは変わっていないのに、インターネットが登場して以来、情報量そのものが飛躍的に増大していて、、
その証拠に、アメリカの調査会社「IDC」によれば、1年間に生み出されるデジタルデータ量は、2000年の62億ギガバイトから、2013年には4.4兆ギガバイトと
”約700倍”に膨れ上がったとのこと。しかもこれは今後も増え続け、2020年には
”44兆ギガバイト”(さらに10倍…)まで膨らむと推定されているそうです。
どうやら今、インターネット上にあるウェブサイトの数は、2016年の時点で10億サイトもあるらしいですね。。しかも、、そこにFacebook、LINEやツイッターをはじめとする、ソーシャルメディアも加わってくるので、現代人はとんでもない情報の波に襲われていることになります…
人間の集中力は「金魚」よりも低い?
そして、この情報爆発の結果、ちょっとした弊害が起きています。それが、、人間の集中力・注意力の著しい低下です。カナダのマイクロソフトの研究チームが発表した調査結果で、1つ衝撃的なことがわかったのですが、、今、人間の集中力は「金魚」よりも低いそうです。
どうやら
金魚の集中が続く時間は9秒のところ、現代人はたったの8秒。これは2000年には12秒だったらしいんですが、13年で4秒も縮まってしまいました。これもインターネットの発展が主な原因らしいんですが、10年後にはいったいどうなるのか・・想像するのも恐ろしいですよね…
これというのは、インターネットを使ってビジネスをしている社長・起業家・マーケターにとって、無視することのできないトピックです。なぜなら、たとえいいセールスレターを書いても、メールを書いても、HPを作っても、、この集中力の低下という壁を乗り越えなければ、それを読み続けてはもらえないからです。(そうなると、当然商品は売れないですよね。。)そこでますます重要になってくるのが…
一瞬でメッセージを伝える”ビジュアル”の力
です。
おそらく、この【Strategic Profits】のメルマガを読んでくれている勉強熱心な方なら、一度はセールスライティングの勉強をされたことがあるでしょうが、、やはりセールスライティングを学ぶと、テキスト(文章)に関心が寄ってしまいがち。(僕も含めて…)
なので、ついつい画像とか、ビジュアルで表現するということをおろそかにしてしまうんですが、、実は、ここにこだわることはかなり重要で、あなたに大きなリターンをもたらしてくれます。
”「ビジュアルは常に文字より早くメッセージを伝える。」”
これは、伝説的なセールスライターと言われているジョン・ケープルズ(私がピアノの前に座ると、みんなは笑った。しかし、弾き始めると..を書いた人)の言葉。
ちょっとしたエピソードがあるんですが、、ケープルズがこのことを悟ったのは、彼がセールスライターになりたてのころ担当した「育毛剤の広告」を書いていた時のことでした。彼はこの広告に取り組むに当たって、こう考えたそうです。
「この育毛剤で本当に毛が生えることをみんなにわかってもらえれば、飛ぶように売れるだろう。」だから、課題はこの育毛剤の効果を証明することだ。これで毛が生えなければ、
製造者の社長が詐欺広告で刑事責任を問われるということを人々にアピールするのはどうだろう?
そして、次のようなヘッドラインを書きました。
「この育毛剤で毛が生えてこなければ、私は刑務所行きになるかも」
そして、ドラマチックな感じを出すため、
社長が刑務所の鉄格子の向こうにいるビジュアルを添えました。
それを見た同僚は大笑いしました。
「お前はいつもクライアントをからかうことばっか考えてるのか。なんだよこれは!」と、言いながら。
これというのは、、ヘッドラインではこの育毛剤で毛が生えなければ、私は「刑務所行きになるかも」と言っているのに、ビジュアルが伝えているのは、「社長がすでに刑務所の中にいる」ということでした。
同僚はヘッドラインよりもそのビジュアルに先に目が行き、ただ単にふざけているのかと誤解し、育毛剤の宣伝ということには気づかなかった。。というわけです。
広告のプロでさえ誤解するのですから、きっと注意力のない中でこの広告を読む人々は誤解するに決まっています。この経験から、ケープルズは、人が広告を判断をするのは一瞬だということ。さらに、ビジュアルは文字よりも早くメッセージを伝えるので有効だが、すごく慎重に選ばなくてはいけないということを学んだと言っています…
”ビジュアル”にこだわることで、
大きな恩恵を手に入れたリッチ・シェフレン
そして、リッチ・シェフレンは今から10年近く前からこの重要性を認識し、効果的なビジュアルで表現をするということにこだわってきた、数少ないインターネット起業家の一人です。
例えば、、もはや説明不要でしょうが、世界中で200万人以上にダウンロードされ、業界ではちょっとした社会現象を巻き起こしたインターネットビジネス「マニフェスト」では、このような一目で見込み客をハッとさせる…パワフルなビジュアルがいくつも使われています。
この無料レポート「マニフェスト」が書かれたのは今から10年くらい前のことなんですが、当時、アメリカのインターネットマーケティング業界では、無料レポートを使ってリードを取る手法が全盛期を迎えていました。
でも、当時はみんなモノクロの文字だけのレポートばかりで、リッチのように「ビジュアル」や「デザイン」にこだわる人はほとんどいませんでした。それもあって、、当時このレポートの英語版をダウンロードしてむさぼり読んだという、ダイレクト出版代表の小川は、一目見た瞬間にリッチのレポートは他とは全然違うと感じた。と、語っていました。
そして、、中でも一番すごいのが・・この「あなた」のビジュアルですよね。
あなたもそうかもしれませんが、「ビジネスグロースシステム」に参加されたお客さんに話を伺うと、アメリカでも、日本でも、フランスでも、、
みんな口を揃えてこの「あなた」の図を見た瞬間に、「これは俺のことだ!」「今すぐこの状況をなんとかしないと…」そんな風に感じたといいます。
もちろん「マニフェスト」は、それ以外の文章の一つ一つが見込み客に気づきを与える内容になっていますが、、
ほとんどの人の印象に深く刻まれているのは、やはりこの「あなた」の図なのです。
その結果、「マニフェスト」のバックエンド商品の「ビジネスグロースシステム」はアメリカで20億円以上、何もせずに放っておいても、いまだに年間1億円以上の売上が上がっていて、日本でも累計3億円以上が売れています。
そのほか、リッチは最新のプログラム「D3」でも、常に需要を追いかけている起業家と、自ら需要を作り出す起業家を対比して、このようなビジュアルを使っています。
効果的なビジュアル表現:”3つのポイント”
ここまでリッチの事例を多数紹介してきましたが、、 参考までに、最後に3つほど効果的なビジュアルを取り入れるためのヒントをご紹介して終わりにしようと思います。
ポイント①:問題点を描写する
これはまさに、リッチが「あなた」の図でやっている得意パターンです。(左のほうはワーカホリックな起業家のフラストレーションを表現したビジュアルですね。)あなたの顧客が抱えている問題。どうしても避けたい状況を、感情が動くビジュアルで表現できればベストです。
ポイント②:顧客の成功イメージ
これも鉄板ですが、その見込み客が願望を実現したあとのイメージを描写する方法です。これはあなたが扱っている商品の見込み客によって全然変わってくるので、しっかりとリサーチをすることが必要になります。
このビジュアルは、古典のヒット広告で、ビジネス系の通信講座を売ったものです。この講座を受けたおかげで昇給・昇進して、念願のマイホームを購入。誇らしい気持ちに浸っている顧客の成功イメージをうまく描いています。モノクロなのでわかりづらいかもしれませんが、、隣にいる奥さん、子供の構図、そして本人の表情が、絶妙に自尊心をかきたてますよね。
そしてこちらは、ジョン・ケープルズの作品で、同様にビジネス系の通信講座を売った大ヒット広告です。一生懸命勉強した結果、昇進し、給料が上がって、奥さんに「今はたっぷり稼いでるから、余分にお金を渡すよ。」と言っているワンシーンです。自尊心が掻き立てられる見事なイメージですよね。
ポイント③:ストーリー性
こちらもジョン・ケープルズの作品で、言わずと知れた「ピアノコピー」の広告。周りの人が嘲笑する中、これからピアノを弾き始めようとする主人公が描かれていて、、
見ているだけで物語の中に吸い込まれていきそうなリアルさを感じます。
本当はもっとたくさんありますが、、今回はスペースの関係でここで終わりにします。
”「ビジュアルは常に文字より早くメッセージを伝える。」”
このケープルズの言葉の通り、あなたのHP、セールスレターやその他もろもろのマーケティング素材でも、このようなビジュアルを作ったり、写真・イラストなどを取り入れることはできないでしょうか?ここに手間をかける価値は大いにあると思いますよ。
萩原 敬大