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隣の芝生は青くない

From:萩原 敬大(はぎわら たかひろ)

以前、新規事業を始めたいというあるお客さんと、リッチ・シェフレン ナビゲーターの中谷さんのコーチング中に聴いた話。

その方は、企業向けの研修などをメインでやっていて、比較的本業は安定してきていました。しかし、どうしても未経験の新規事業(メンズグルーミング)をやってみたいという思いが強いとのこと。



そこで、中谷さんがしたアドバイスは、、

「リッチの教えを請うのであれば、彼はもともとあるマーケットで勝負をしろっていう話をしているんですよ。要するにマーケットがないっていうことは、(今、既存にグルーミングの20代、30代の床屋みたいな店舗がないっていうことは、)そもそもマーケットがないっていうことのほうが近いんですよ、僕の経験上も。自分が思いつくようなことって、だいたいもっと早い段階で、優秀な人たちが先に考えている可能性のほうが高いんですよ。」

というものでした。


魚のいる場所で釣りをしろ


新規事業をやりたい。また、新規の顧客を獲得したい、新しい市場に参入したい…といった話は、僕たちがお客さんと話していると、この方だけではなく、最も多く聞く質問の1つです。

しかし、、かけた投資を回収して、そこから得られる利益を確実に最大化していくことを考えると、リッチや中谷さんもおっしゃっている通り、これはあまり良いやり方とは言えません…

つい最近読んだ、有名マーケッターの書いた本の中で、このような一文がありました。

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このセルジオ・ジーマンは僕の前回のメルマガでも紹介しましたが、20世紀3大広告人の一人で、コカ・コーラ社のマーケティング最高責任者として数々の実績を残した人です。彼がこのことを強く意識するようになったのには、ある日のコカ・コーラ社の社内会議での出来事からでした。

その日の会議では、コカ・コーラが新しい国(市場)に参入することで成長し続けることができるかどうか?というテーマで議論をしていました。その当時は新しい国(市場)に参入して利益を得るということは、既存市場での成長に対する安易な代替手段だったのです。

そこで、その話を静かに聞いていた1人の男がおもむろに口を開きました。その男とは、コカ・コーラのCEOに16年間君臨し、株価を35倍にした伝説の経営者ロベルト・ゴイズエタという人物です。彼はこのように言いました…

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つまり、他のメンバーは、世界の人口56億人に対して、約2オンス(約60ミリリットル)ずつ飲ませることがコカコーラにとっての潜在的(未開拓)な市場だと考えていました。

しかし、ゴイズエタが考えていたのは、より多くの人に自社商品を飲ませることだけを考えるのではなく、すでに自社商品を飲んでいる人たちにも、他の飲み物(水、清涼飲料、アルコールを含むすべて)の代わりに、もっとたくさん自社商品を飲んでもらうようにする方が、より有効で簡単な方法であるということでした。

セルジオ・ジーマン著「そんなマーケティングなら、やめてしまえ!」より引用


全く新しい顧客/すでに掴んでいる顧客


これはコカ・コーラというマスマーケティングの話ですが、我々がやっているダイレクトマーケティングにおいても全く同じことが言えますよね。全く新しい市場に入って行って、自社を認知してもらって、商品を使ってもらう。これはすごく大変なことですし、お金もかかります。しかし、すでに掴んでいるお客さんに再度同じ商品や、別の商品を売り込むのはかなり安いコストでできます。(つまり利益も高いです)

もっと大事なのは、すでに欲しがっている人、あなたの商品を買うことを受け入れたことがある人については、より高い確率で販売することができるということです。その商品に興味を示していない人や、買おうとさえ思ったことがない人に売るとなったら、どうでしょう?まずそのお客さんの悩みや願望を調べて、そこに自社商品を結びつけて、必要だと受け入れてもらって、競合よりも優れていると主張して、証拠を見せて・・と、とんでもなく長いステップが必要になります。。

例えば、海外旅行をしようと思っていない人に、旅行をさせるために海外旅行の楽しさや魅力を説明するよりも、、すでに何度か旅行へ行ったことがある人に、もっと旅行へ行くように説得する方がずっと簡単ですよね。目に見える需要(つまり隣の芝生)に目がくらんでしまうと、このように大事なポイントを見失ってしまうことがよくあります…


既存の市場(顧客)からの売上を増やした事例


これについての僕たちのお客さんの事例は、紹介しきれないくらいたくさんあるのですが、、最近いただいた事例をいくつかご紹介します。

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人口わずか3千人ほどの過疎地域でガソリンスタンドを経営する伊藤さんは、チラシやダイレクトメールを使って既存のお客さんへと売り込むことで、わずか1年で800万円も粗利を増加させました。

伊藤さんは、新規で来てくれたお客さんにサンキューレターを送ることで、これまでライバルを使っていたお客を自社の固定客にし、以後売上が毎月15%以上アップしたそうです。(ガソリンは定着すれば、月に何回か入れてもらえる商品なので、実はライフタイムバリューが高い)

また、既存のお客さまにチラシを使うことで、もっと使ってもらうことができたり、ダイレクトメールを使ってバックエンド商品の「タイヤ」を売ることで、16万円の費用に対し、610万円もの売上を上げることができたそうです。

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山田さんは、長野県でイタリアンレストランを経営されているのですが、以前、飲食店
特有の閑散期の集客に悩んでいました。

そこで、その閑散期の集客を安定させるために、ダイレクトメールを使って、常連さんへの特別な招待や、新商品のオファーなどを送ることにしました。すると、30組のうちに半分が来てくれたり、、週に何度も来店してくれる上得意客ができ、集客をコントロールできるようになったそうです。

閑散期とはいえども、お客さんはほぼ間違いなく1日3食ご飯を食べているわけです。ということは、どこか他の飲食店で食べているのかもしれないし、自宅で料理を作ったり、スーパーやコンビニで買ってきたものを食べているはずですよね。これは潜在市場を開拓するといういい例になるのではないでしょうか。


あなたの潜在市場はどこ?


あなたは十分に既存のお客さんに売り込めているでしょうか?アップセル(購入後すぐに別の商品をオファーする方法)、クロスセル(セット販売)、バックエンド商品の売り込み(ダイレクトメールやセールスレター)など、売上を最大化するために、あらゆることをやっているでしょうか?

もしくは、今回のコカ・コーラの例のように、あなたの潜在市場はどこかにないでしょうか?すでにあなたのお客さんが使っているライバルの商品や、似たような商品を提供している競合はありませんか?どうしたらそのシェアを奪うことができるでしょうか?全く新しい市場へと踏み出すのは、これらを全てやって、得られる利益を最大化してからでも遅くはないんじゃないでしょうか。

萩原 敬大

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萩原 敬大
萩原 敬大

Strategic Profits マーケティングマネージャー
メールマガジン購読者数41,238人(2017年1月5日時点)日本におけるリッチ・シェフレンの独占販売権を持つ【Strategic Profits】のマーケティングマネージャー兼セールスライター。販売プロモーションの企画、広告運用、セールスコピーのライティングなどを統括している。

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