リッチ・シェフレン
ナビゲーターの中谷です。
先日ネットサーフィンをしていると、アメリカの野球球団であるレッドソックスの売上が6倍になったことを解説する記事を見つけました。
レッドソックスは、球団運営以外の新規事業に乗り出したことで、売上を爆発的に伸ばしたそうです。
その解説を見て、これはリッチ的に言えばこういうことだろうな、、、というのが思いついたので、今回は新規事業を上手くいかせる方法について、リッチのビジネス・グロース・システムで話していた内容を使って、解説してみたいと思います。
ケイパビリティを把握する
まず、最初にポイントになるのが、自社のケイパビリティを把握するということです。ケイパビリティと言われてもなかなかピンとこないかもしれませんが、経営に関する書籍なんかを読んでいるとちょこちょこ出てくる言葉なので覚えておくと良いかもしれませんね。。。
ケイパビリティというのは、自社の能力のことを指します。ただ、僕たち日本人にはわかりづらいところなんですが、このケイパビリティというのは、何かを達成する「絶対的な」能力という意味があるんですね。ポイントは絶対的というところで、相対的ではないところが大切です。要するに、競合と比べてどうなのかはどうでもよくて、とにかく何ができるのか?というのがケイパビリティです。
レッドソックスの場合は、野球の試合を行うようなイベントを運営することができる、球場の広告看板にスポンサーを集めてくるような広告主を探すことができる、選手の管理や年俸交渉のようなマネジメント業務ができる、といった能力がケイパビリティだったようですね。
コンピタンスを把握する
次に把握すべきなのがコンピタンスです。このコンピタンスもまた、日本人としてはわかりづらい部分がありますが、これも自社の能力のことを指します。
「え??それじゃケイパビリティと同じだよね?」と思われるかもしれませんが、ちゃんと意味はあるわけで。。。コンピタンスの方は、何かを達成する「相対的な」能力という意味があるらしいです。つまり、競合と比べて自社の方が上手くできる能力のことをコンピタンスという。分かりやすく言うと、自社が何かできる能力がケイパビリティで、自社が何か他社よりも上手くできる能力がコンピタンスです。
ということは、このコンピタンスを把握しようとすると、競合リサーチが必須ってことになります。相対的な能力なので、競合と比べる必要があるってこと。。。
ただし、その競合は・・・
別の業界を競合にする
ここでポイントになるのが、別の業界を競合にするってことです。要するに、レッドソックスの場合は、他の野球球団を競合にするわけじゃなくて、別の業界の他社を競合とみなしたわけですね。
イベントを運営できるケイパビリティについては、他のスポーツ業界だけではなくて、音楽業界にも使えると気づいた。広告主を探すことができるケイパビリティについては、ゴルフ業界や広告代理業にも使えると気づいた。選手のマネジメントができるケイパビリティについては、逆に選手側の代理人になることができると気付いた、、、って感じです。
そして、ただ気づいただけではなくて、それがコンピタンスとして機能する。。。つまり、別の業界の競合よりも上手にできる能力だと理解したところが重要です。それによって、レッドソックスは売上を152億円から1000億円まで伸ばしたわけです。。。15年で6倍ですね。
報酬はコア・コンピタンスから得られる
この話の面白いところは、まったく同じケイパビリティだったにも関わらず、その能力を提供する業界を変えることによって、それがコンピタンスとして機能することがあるってこと。。。しかも、それが競合に対して圧倒的に真似できないレベルで強みになるようであれば、コア・コンピタンスとして機能するってところです。
ピーター・ドラッカーの言葉に
「あらゆる者が、強みによって報酬を手にする。弱みによってではない。最初に問うべきは、我々の強みは何かである。」
というのがあります。これは要するに、コア・コンピタンスこそが、企業における収益の源泉になるって話です。逆に言うと、どんなケイパビリティがあったとしても、その能力がコア・コンピタンスとして機能しないだけでなくコンピタンスでもないような状況であれば、収益を上げるのは難しいってこと。。。
そんな状況を打開するのが、競合を変えるということですね。もしかしたら、ケイパビリティを見直して、業界を変えるということで、コア・コンピタンスとして機能して圧倒的な収益を生み出すことができる可能性もある。。。
あなたがもし、自社の強みを見つけることができなくて困っているようであれば、ケイパビリティを見直した上で別の業界に視野を広げると良いかもしれませんね。そうすれば、強みだとは思っていなかった能力も、コア・コンピタンスとして活用することができ、圧倒的な収益を生み出すことができるようになるかもしれません。
ー中谷 佳正
P.S.
事業の構築においてとても大切な情報ですので、何度も読んで理解してもらえると嬉しいですね。。。