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注目を奪い合う時代を生き抜く秘訣(前編)

From:リッチ・シェフレン

地方のテレビ局のニュース番組は「流血シーンを見せれば、視聴率が上がる」
というシンプルな方針に従うことが多いようです。

凶悪犯罪や悲惨なニュースが、日々お約束のようにニュースのトップを飾るのはこのためです。
「悪いニュース」は、ほぼ必ず人の注目を集めるのです。

目の不自由な孤児のために10万ドルの寄付金を集めた教会の話題などの「良いニュース」は、
番組の後ろのほうで流されます。それでも、放送されればいいほうです。

腹立たしい話だと思いませんか? なぜ悪い話は良い話より注目されがちなのでしょうか?
なぜ私たちはネガティブな思考や悪い出来事に注目してしまうのでしょうか?

それは「注目を浴びたがる存在」のせいです。

2001年9月11日、私たちはニュースに釘付けになりました。邪悪なテロリストがアメリカを攻撃し、
その後絶え間なくテロとの戦いが続いています。このニュースは私たちの心をしっかりと掴んで離しません。

こうした恐怖をあおる話や悪いニュースは、たびたび見出しとして大きく取り上げられますが、
例えばあなたの展開するマーケティング・メッセージのような「いい話」は、
卑劣な話題をふりまく「注目を浴びたがる存在」のせいで見向きもされません。

これらの「注目を浴びたがる存在」は、人々の注目を引きつけることによって、
もっと注目を払う価値があるようなその他のニュースに人々が注目する余地を与えないのです。

「注目を浴びたがる存在」とは、いったい誰か?


「注目を浴びたがる存在」をリストアップしたら相当な数になるでしょう。
しかも日々増え続けているのです・・・

ざっと思いつくだけでも、モニカ・ルインスキー、バリー・ボンズ、
ドナルド・トランプ、オプラ・ウィンフリー、
地球温暖化、ハリケーン・カトリーナ、ハリー・ポッター、アップル社のiPhone、
そして最近仲間入りを果たしたパリス・ヒルトン、リンジー・ローハン、故アンナ・ニコル・スミス、
それに故ダイアナ皇太子妃などなど。

これらの人やモノはどれも、この注目の時代において良くも悪くも私たちの注目を集めてきました。

すべてが私たちの記憶に留まり続けるわけではありません。実際、今この瞬間にも、
その多くは私たちの記憶から徐々に消えつつあるかもしれませんが、
それでも依然として注目されています。少なくとも一瞬は、
まあ、たいていしばらくは、つまり私たちが受けた感情的な印象の程度に応じてそれなりに記憶に残ります。

私たちの注目は希少な資源であり、それは市場についても同じです。
どのように自分の注意を配分するかは、本当に重要なことなのです。

ところが、さきほどの「注目を浴びたがる存在」たちが、もっと多くの注目を奪おうとしています。
それらは、私たちの記憶に留まり続けたいという欲望を持ち、テクノロジーとマスメディアの助けを借りて、
その多くが一生消えない記憶を私たちの記憶に刻み込んでしまいました。

「注目を浴びたがる存在」たちは、あなたの注意を引くだけでなく、
あなたのマーケティングが注目を浴びて成功することを、より一層困難にしているのです。
要するに、私たちは一人残らず、人々の注目を得ようと、
パリス・ヒルトンやテロリストたちと競い合っているのです。

大きな利益とその向こう側へ
リッチ・シェフレン

リッチシェフレン
リッチ・シェフレン

グーグル、ヤフー、マイクロソフトなど、大手インターネット関連企業へのコンサルティングを行うネットマーケティングの第一人者。ビジネス戦略の構築を得意とする起業家で、マーケティングの世界で巨人と言われているダン・ケネディ、ジェイ・エイブラハムたちとパートナーシップを取り、指導を行っている。そんな経歴からリッチはグルズ・グル(Guru’s Guru = 先生たちの先生)と呼ばれる。

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