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苦戦する社長がよく言う”危険なセリフ”

2017.3.11 | ,
From:萩原敬大(はぎわらたかひろ)

以前、リッチのナビゲーターの中谷さんとのミーティング中に聞いた話。(中谷さんは、起業してからの11年間を通して、上場企業から個人事業主まで、、のべ690社を超える会社に対して、Webマーケティングや経営のアドバイスをしてきた経験をお持ちです。)

そんな中谷さんが、コンサル先の社長に初めてお会いする時、ほとんどの方が、口を揃えて言うセリフがあると言います。それは、、「競合は◯◯だから…」というものです。

リッチの「ビジネス・グロース・システム」を学んでいる方ならお分かりだと思いますが、、モジュール4に競合情報収集(コンペティティブ・インテリジェンス)というコンテンツが出てきます。

中谷さんの経験上、(リッチを学んでいる人は別として)これを意識してやっている社長は皆無に近いそうですが、、社長の口からこのセリフが出てくるということは、ビジネスの競争で優位に立つために、無意識とはいえ、「競合についての情報を持っている。」ということになります。これ自体はいいことですよね。でも、問題はここからです…

 


価格競争に巻き込まれる社長の共通点


”「ほとんどの会社は”圧倒的な情報不足”の中で戦っている。そして、いくらか情報を持っていたとしても、その数少ない情報の”使い方”が間違っている。」”このように中谷さんは言います。

中でも代表的なのが、競合の”価格”について。
・「あそこはこの値段だから、うちもこの値段じゃないと…」
・「競合がうちの価格を調べてくるから面倒なんだよ。」

と、、多くの苦戦する社長は、”間違った情報の使い方”をして、自ら熾烈な価格競争の中へと飛び込み、競合に対して限界ギリギリの戦いを挑んでしまいます。。

このことは、あなたにもよくよく考えてみて欲しいのですが、、そもそも競合が「低価格戦略」で戦ってくるということは、おそらく競合は「価格」であなたのビジネスに勝てると思っているということですよね?

ということは、、競合にとって「価格」の要素は”強み”ということが考えられるわけです。それに対して、あなたは競合を価格で打ち負かす自信があるのでしょうか? もし、自分の会社は価格こそが強みだと言い切れるのなら、、、そこで勝負してみるのも良いと思います。

あえて価格破壊の低価格で市場へと殴り込み、短期間で一気に市場シェアを奪うという戦略も、もちろん存在するからです。(ユニクロ、サウスウエスト航空、フォードなど…)

でも、その成功事例のほとんどは大企業ばかり。おそらくほとんどの中小企業には、相手が白旗を揚げるまで、ガンガン資金を投入して攻め続ける…というのは合わないやり方ですよね。

ということは、、、なぜ、競合の強みと、あえて真っ正面から戦おうとしてしまうのか?ということです…

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本当に狙うべきなのは、、”競合の弱み”


やはり競合の動きというのは気になるものですし、、価格というのは表面化していてわかりやすく、情報が取りやすいので、そこに囚われてしまうのは仕方がないことです。でも、、あなたのビジネスの中で強くもない部分を使って、どうして競合の強みと真っ向勝負しようとしてしまうのか、、、これはよくよく考えると変な話ですよね?

例えば、もしあなたが婚活パーティーに参加したとして、ライバルに死ぬほどお金持ちの社長がいたとしたら、、自分が金持ちだということをアピールしたとしても、勝ち目はないと思いませんか? ライバルが東大卒のインテリなら、、頭がいいことをアピールしても、、同様に勝ち目はないですよね。

それだったら、スポーツが得意とか、料理ができるとか、映画に詳しいとか、、ライバルが持っていないもので勝負しよう。このように考えるはずで、真っ向から戦おうとはしないはずです。

ただ、、東大卒の金持ちでスポーツもできて、料理もうまい…となったら、そもそもその日は諦めて出直した方がいいかもしれませんが。笑

でも、ビジネスにおいて、どんな業界・業種であろうと、そこまで何から何まで完璧な相手というのはいないと思います。必ずどこかにほころび…つまり、競合にとっての”弱み”となるものが、探せば必ずあるはずです。そして、、

”「本来、競合をリサーチする上で重要なのは、そういった競合の”弱み”の情報を見つけるということだ。」”と、中谷さんは言っています…

 


あなたの強みを競合の”弱み”にぶつける


さらに、理想的な形としては、あなたのビジネスにおける”強み”を発見した上で、競合の”弱み”を狙うのが一番です。いくつか事例を出すと、、まずはリッチが昔経営していた服屋があります。

これは、当時22歳だったリッチが一番最初に始めたビジネスで、マンハッタンのブロードウェイにある服屋でした。元々は親族から引き継いだのですが、当初、損益分岐点が3億円のところ、売上が1億5,000万円しかないというどうしようもない状況でした。

加えて、リッチは小売業の専門家でも何でもありませんでしたし、服屋で働いた経験すらありません。ただ、世界最大手クラスのコンサルティング会社で戦略担当として働いていた経験はあるので、多少ビジネスの知識はあるにせよ、、周りにいるのは2万店以上の競合、しかも中には100倍以上の規模のマーケティング予算がある競合ばかり…

普通に低価格の服をウリにして、真正面から戦ったら、、一瞬で玉砕してしまいます…そこで考えに考え抜いたリッチは何をしたのか? リッチがしたことは、まさに、自分たちの強みを見つけて、競合の提供できない弱みを突くことでした。

具体的には、、他の小売店が低価格や品揃え、顧客サービス、返品ありの充実したサービスなどで勝負している一方で、、リッチはその店を、自分と同年代の人々や、テクノ音楽が好きな人たちの専門店に仕立て上げたのです。(当時のリッチの強みは、若さと、同じ年代の若者が何を好きで、何がしたいかということに関する知識を持っていることだったからです。)

店中にミラーボールを置き、昼間からテクノミュージックをガンガンかけて、音楽好きが好む服だけを売る。それによって、若者が殺到する店になり、有名ミュージシャンなどのコアなファンも多数来店するようになり、ほんの数年で年商は4倍以上に伸びました。

その後、他の小売企業がリッチの成功を見て同じようにやろうとしましたが、そこはリッチの強み。彼らには音楽好きの若者の気持ちはわかりませんし、ルールで縛られた大企業のチェーン店には、このような演出はできなかったのです…

 


ダイレクト出版の事例


僕たちダイレクト出版も、自社で”洋書を売ろう”と考えた時、最初は同じような状況からのスタートでした。普通、本を売ると言ったら、書店の店頭で売るのが当然の流れですよね。

でも、よくよく考えてみると、、名前も知られていない会社に、よく分からない外人の著者。そして、DRM・セールスライティングという、とてもマニアックなテーマで書店の「ビジネス書カテゴリ」に並べられるわけですよね?
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そうなると、、隣には松下幸之助、稲盛和夫、ジャック・ウェルチ、スティーブ・ジョブズ…みたいな著者の本がズラリと並んでいるわけです。そこに、マリア・ヴェローソの「ウェブセールスコピーの法則」なんて本を置いても、、誰やねん…となるだけで、、売れるわけがありません。(笑) (これが、ネットでは5万部以上売れました。)

そこで、磨いてきた強みのインターネットマーケティング、セールスライティングというスキルを使って、インターネット上だけで本を売ることにしたのです。その結果、今では1万部を超える新刊は全体の”1%にも満たない”といわれる出版不況の中、、1冊2,980円(税抜)もする高価な本にもかかわらず、その本を毎月定期購読するサービス:「月間ビジネス選書」には、現在”現役の”会員が11,363名ほどいます。

つまり、本を作る前から必ず初版で1万部は売れることが確定しているということ。これは何百冊、何千冊と売り出して、1冊ヒットが出ればいい方。という出版業界からしたら、到底ありえない話のようです。なので、最近ではどのようにやっているのか?と、他の出版社から聞かれることが多いのですが、、インターネットマーケティングやセールスライティングは他の出版社にとっては弱みなので、1年や2年で真似できるものではないでしょう…

 


「うちには強みなんてない?」


ただ、中谷さんが社長にこの話をすると、ほぼ決まって帰ってくる答えが「うちは他と同じことやってるから、変わったところなんてないよー」というものだそうです。

ただ、中谷さんは、”「それはただ単に強みの見つけ方を知らないだけであって、あなたの商品を気に入って、買ってくれているお客さんがすでにいるなら、、必ず強みはある。」”と言っています。そこで、中谷さんのクライアントさんの事例を1つご紹介します。

 


HPで赤字を垂れ流していた、、ある印刷会社


中谷さんが7年ほど前に相談を受けた、業歴40年以上の印刷会社。ここは、中谷さんがコンサルに入る前、冒頭で紹介した社長さんたちと全く同じ状況でした。インターネットの印刷サービスを始めようと、数百万円かけてHPを作ったはいいものの、、超大手企業と真っ向から競争してしまい、開設以来ずっと赤字。開店休業状態でした。
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そこで、、中谷さんがいつもやっているリサーチ手法に沿って、この会社の現場や、取引先を訪ねて話を聞いていったところ、、ある1つの”強み”と呼べるものが浮かび上がってきました。

クライアントさんのご都合上、詳細はここでは伏せますが、、この会社は他の会社と違い、あるものの印刷機械を自前で持っていました。なので、そこにかかるコストはとても低いにも関わらず、高品質で、スピーディな対応ができたのです。

そこで、その”強み”をフルに活かし、印刷の何でも屋さんから、あるものの印刷に特化した専門店へとポジションを変更。大手や他の会社が提供できない”弱み”に”強み”をぶつけたところ、、HPを作り直してすぐに黒字化。1年足らずで6,000万円もの粗利を生み出す金脈へと変わりました。

このように、積み上げてきた独自の”強み”というのは、なかなかすぐには真似できないので、その後、この会社はHPの内容をほとんど変えることなく、6年連続の増収増益を達成しています。

ちなみに、この会社の成功を見て、多くの競合が真似をしてきたそうですが、、そもそもここは彼らの”強み”ではないので、さほど利益は出ていないでしょうし、この会社の強みはそう簡単に揺らぐことはありません…

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」

なので、、本当に大事なのは競合の”価格”ではなく、、競合の弱みを知ること。そして、、自社の強みを知ること。2,500年以上読み継がれる兵法書「孫子の兵法」で言う「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」です。

また、中谷さんはこうも言っています。”「もちろん、競合の強みと自社の弱みを両方知っておくことは大事ですが、、市場に打って出る時に必要なのは、相手の弱みに対して、あなたの強みをぶつけるという考え方の方が、より重要度は高いと思ってください。」”

これは、今までの事例で紹介した通りですが、、単純に逆の立場を想像してもらうと分かりやすいと思います。あなたの会社の弱いところに、競合の一番の強みをぶつけられたら…たまらないですよね? それと同じことを、あなたが先んじてやればいいということです。

そうすれば、、価格競争とは無縁になるのはもちろん。”価格”という誰でも提供できるような要素ではなく、あなたの”強み”を好きになってくれるお客さんが集まるわけですから、強烈なファンが生まれることは、間違いありませんよね。

その”強み”を磨いていけば、あなたのビジネスは、どんどん安定したものになるでしょう。

萩原敬大

PS.
これまで690社以上の会社の”強み”を見つけ、それを競合の”弱み”にぶつけることで、92%以上の成功率で成果を出してきた中谷さんですが、そのやり方は全て同じ1つのステップだけだと言っています。

もし、この方法を中谷さんから直接学びたいという方がいれば、特別にご案内しますので、3/12(日)までに、ココにご登録ください。こちらからご連絡させていただきます。

詳しくはこちら


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萩原 敬大
萩原 敬大

Strategic Profits マーケティングマネージャー
メールマガジン購読者数41,238人(2017年1月5日時点)日本におけるリッチ・シェフレンの独占販売権を持つ【Strategic Profits】のマーケティングマネージャー兼セールスライター。販売プロモーションの企画、広告運用、セールスコピーのライティングなどを統括している。

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